2015年04月15日

宮部みゆき 『火車』 ネタばれ感想

このたび初めて、宮部みゆきさんの本を読みました。

面白かったです。面白かったですよ。
続きが気になって、月曜なのに夜中の三時までかけて
読みきってしまいましたから。

面白かったですが、「宮部みゆきすげー! 他の作品も
片っ端から読みたい」とまではいきませんでしたね。

とはいえ、滅多に動かさないブログに感想を書き連ねる
くらいですから、見事に作者の術中にハマっているんでしょう。

以下、ネタばれしまくりの感想です。

 

つれづれに、思いつくままに。

・読んでいる途中でふと、なんかRPGみたい、と思いました。
どうやら宮部氏は「RPG」というタイトルの本も書いてらっしゃるそうですが
それではなく、実際のゲームのほうです。

恋人を探してくれと頼まれて、手がかりを頼りにある場所に行く。
そこで聞いた話から次の手がかりを探し、別の場所へ行く。時には
同僚に手伝ってもらったり、家族や友人と話す中で別の手がかりを
思いついたりしながら、少しずつ消えた女性に迫っていく、っていう
この流れが、なんかロールプレイングゲームみたいで。

もちろん、主人公の刑事の目線と消えた女性の周囲の人の証言で
話が進んでいくので、当然といえば当然なんですが、なんとなく
読んでいる途中でふと、そう思ってしまったのでした。

・私自身、幅広く本を読むわけではないので、ミステリーとサスペンスの
厳密な違いを実はよくわかっておらず、ミステリーは謎解き、サスペンスは
ドキドキの展開、というくらいの認識です。で、この『火車』、ミステリー史に
残る傑作と裏表紙にも書かれていますが、個人的にはミステリーじゃなくて
サスペンスだと思います。喬子が彰子に成りすます理由は明らかになっていますが
では実際にどうやって殺し、遺体をどこに隠したのか、その辺は謎のままです。

ですから、意見が分かれるエンディング、私にとっては「ありやけどなし」です。
彼女の口からどんな想いが語られるのだろうと想像するとき、あのエンディングは
非常にすばらしいと思います。そういう意味で、あり。しかし謎解きの決着を
つけるという意味では、思いっきり置いてけぼりにされてるので、なし。
まぁ、読み終えて一番に出た言葉は「結局、語らずかい!」という突っ込みでしたから
なし側なんでしょうね。

・なんだかんだで、登場人物の誰にも共感できなかったです。特に女性。井坂さんの奥さん、
管理人の紺野さん、喬子、郁美。みんな完璧超人すぎる。息子さんも聞き分けのよさそうな
いい子だし、元夫や元上司や幼馴染、誰も心の闇を抱えてなさそう。もちろん喬子や
彰子は大きな闇を抱え込んでいたんだろうけど、本人の口からは語られないし。

一方で、現実を認めず逆上しちゃう甥っ子や、犬を飼えない苛立ちから犬を殺しちゃう
野崎少年なんかは、その部分しか書かれていないので、怖いだけの人になってるし。
結局、一番親しみを感じたのは、美容院のかなえさんでした。

・弁護士さんが、自己破産を交通事故にたとえてて、本人だけが悪いわけじゃない
まじめな人ほど自己破産する、みたいなこと言ってましたけど、そこも受け付けませんでした。
もちろん、法やシステムの整備の必要性なども大事ですし、すべての原因が本人に
あるわけではないんでしょうけど(この本を読んで気づかされた、という感想もたくさん見ました)
理不尽に交通事故に遭ったことのある身としては、少なからず本人にも原因があるし
そないに被害者面されてもねぇ、なんて思います。そもそも私が、クレジットカードが
好きではない、っていうのも大きいかもしれません。

・宮部さんの文章は初めてでしたが、読みやすかったです。意味がわからなくて読み直す、
なんてことはなかったです。ですが、登場人物の顔はあまりくっきりとは浮かびませんでした。
読み始めてしばらくは、狂言回し的役割の刑事さんがどうにも見えてこず、ちょっと難儀しました。
心情表現とか人間観察とか、細かいところまで描写されている(らしい)んですけどね。
まぁ、東野圭吾氏よりはマシかなぁ(ファンの方ごめんなさい)。


こんなところでしょうか。
時間をおいて再読すれば、また違ったなにかが見えてくるかもしれませんね。
ひとまず、ここまで。

 

drecom_xiaoye at 00:06│Comments(0)TrackBack(0)

トラックバックURL

コメントする

名前
URL
 
  絵文字