2013年06月02日

幽霊・妖怪画大全集

気になっていた「幽霊・妖怪画大全集」に、ようやく行ってきました。
たくさんの幽霊・妖怪の絵に出会えて、とても楽しかったですよ。

今回、特に心打たれたのは、小林清親の四季幽霊図。特に、冬。

衣桁から様子を伺う春。
蚊帳で密かに子を抱く夏。
月夜の野辺で笛を吹く秋。
冬の朝、空を見上げる冬。

一晩中、背中を丸めて歩き続ける冬。
柔らかい朝の日差しが降り注ぎ、夜が明けたことを知る。
ふと空を見上げるその姿に、喜びや安堵はなく
彼女はまだ、成仏できそうにない。

春、夏、秋はそれぞれ、ちゃんと顔や髪が描かれているのに
冬の姿は全体的にぼんやりとして、掴みどころがない。
はっきりと描かれた流れ灌頂が、更なる哀しみを誘う。
私はただ、いつか冬に安らぎが訪れることを願うばかりだ。

この絵に出会えただけでも、私には行った価値がある。

もちろん、ほかの絵もどれも素晴らしかったです。
国芳先生はほんと多才だわ。月岡先生も素敵でした。

ひとつ気づいたこと。私は版画よりも肉筆画が好き。
版画は版画で、線の細かさや色分け、押しの型など
興味深いことはいろいろあるんだけど、どうにも平坦で
ごちゃごちゃとしていて、ずっと眺めているとしんどくなってくる。

その点肉筆画は、掛け軸として仕立てられている影響も
あるとは思うけど、立体的でいつまでも眺めていて飽きない。
勝手に物語を想像できる、余白があるところも好き。

日本に生まれてよかったな。
もうすでに、冬に会いたいよ。

drecom_xiaoye at 23:15│Comments(0)TrackBack(0)

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